令和5年3月15日(水) 第63回卒業証書授与式 行われる

【式辞】(抜粋)

 ここ川里の地にも春が巡り、桜のつぼみも膨らみはじめた今日のよき日に、鴻巣市立川里中学校 第63回 卒業証書授与式を挙行できますこと、謹んで御礼申し上げます。

 97名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。皆さんは、本日をもって、9カ年の義務教育の課程をすべて修了いたします。

 本来なら、たくさんの来賓の皆様や在校生と共に、みなさんの卒業を祝う機会となるはずでしたが、新型コロナウイルス感染防止のため、参列がかないませんでした。・・・(略)・・・

 さて、本日だけでなく、皆さんは、この3年間、過去にない試練に直面しました。学校生活は大きく変わり、多くの困難がありました。学校休校のなかで行われた入学式、新しい仲間とも先輩や先生方ともマスク越しで対面となりました。準備を重ねてきたスキー教室は直前で延期となりました。二年生になり、部活動の中心となって、制約のなかでチームを作り上げてきたところでの新人班大会の中止。日々の生活もソーシャルディスタンスの確保・手洗い、友達とたわいもない話をして楽しく過ごすはずだった給食の時間の黙食。体調を崩せば、家族が感染すれば、登校することさえできない日もありました。

 できなかったこと、制限されたことは数えきれません。川里中学校だけでなく、日本国中の、いえ、世界中がこの前代未聞の危機に直面しました。しかし、この困難な状況でも、皆さんは不屈の精神と闘志を持って、できることはないかとアイデアを振り絞り、それぞれの能力を最大限に発揮し、彩りのある3年間を作ってきました。

種目を変えて、短縮した体育祭でしたが、あの熱い体育委員長の宣誓は、みんなに勇気とやる気を与えてくれました。合唱コンクールでは、課題曲と自由曲を見事に唱いきり、大きな感動を呼びました。他にも忘れられない、思い出深い行事を中心となって作り上げ、川里中学校の伝統を守り抜いてくれました。

 皆さんは、常に1、2年生の良き手本となり、3年生としての在り方を示してくれました。そして、今日この日に、努力を実らせ、全員が進路を決定させて式に臨んでいます。失意の中にあっても、できない理由を探し嘆くのではなく、今できることを精一杯やることの素晴らしさを、皆さんから改めて学びました。

これからも社会は常に変化し、未知の挑戦が待ち受けていますが、皆さんが今回のような困難な状況を乗り越えたことは、そのような未知の挑戦に対しても、必ず役立つと思います。・・・(略)・・・

 みなさんはこれから自分の選んだそれぞれの場所で新しい生活を始めます。義務教育を終えて中学校を卒業する今からがみなさんにとって、いよいよ開花、花を咲かせる時です。今まで蓄えてきたチカラをバネに花を咲かせてください。

結びに、花の季節が巡ってくると思い出す詞を送ります。

「もう一つの花の人生」から。

一人一人が花を咲かせる人生なのであって、

そこで大切にされるのは

花の華麗さでもなく、大きさでもなく

咲かせると言うことなのです。

それも自分にしか

咲かせることのできない花を精一杯。

誰かに見てもらう花でなく、

自分で満足できる花を咲かせてください。

ご卒業おめでとうございます。これからの皆さんの未来に幸多かれと祈念し、式辞といたします。